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【保存版】Web広告の選び方を徹底解説(EC事業者向け)

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 以前の記事では、「今からWeb広告を始めるECサイト運営者向け」に、Web広告を配信するメリットや注意点、オフライン広告との違いをご説明し、弊社で扱うWeb広告の種類/特徴をご紹介しました。

(以前の記事を読みたい方はこちら)

 以前の記事を読んでいただき、Web広告の有用性は理解したものの、新たに「自社にマッチしたWeb広告がわからず、どのWeb広告を配信したら良いかわからない」というお悩みが出てきたECサイト運営者の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、そんな悩みを持つ方のために、「自社にマッチしたWeb広告は何か」をご検討いただけるよう、ターゲット層別におすすめのWeb広告を解説します。

Web広告の種類別メリット/デメリット

 Web広告は様々な種類があり、それぞれメリット/デメリットがあります。自社にどのWeb広告がマッチしているかを考える上で、まず各種Web広告のメリット/デメリットを理解することが重要です。以下では、代表的な各Web広告のメリット/デメリットをご説明します。

リスティング広告

▽メリット

1.購買意欲の高いユーザーにリーチ可能

 リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される広告です(検索連動型広告とも言われます)。そのため、リスティング広告が表示されるユーザーはそのキーワードに対して「いま興味がある」ユーザーである可能性が高く、売上に繋がりやすい傾向があります。

2.狙ったキーワードで効率的に配信可能

 リスティング広告は、ユーザーが検索に使うキーワードを指定して広告を配信することが可能です。そのため、商品やサービスに全く興味がなく購入に至らないと想定されるユーザーには広告が配信されにくく、効率的に広告配信が可能です。

▽デメリット

1.テキストのみで魅力を伝える必要がある

 リスティング広告は、ショッピング広告やディスプレイ広告とは違い、ユーザーに表示されるのはテキストのみです。そのため、ユーザーに広告をクリックしてもらうためには、限られた字数/テキストのみで商品やサービスの魅力を伝える必要があります。

2.競合が多いと費用が高くなりやすい

 リスティング広告は、「広告の品質」「設定したクリック単価」によってオークションが行われ、掲載順位が決定する仕組みです。そのため、競合が多いとオークションの競争も激しくなり、クリック単価を高く設定しなければ広告が上位に表示されにくくなってしまいます。そのため、設定したいキーワードに競合が多く、広告を検索結果上部で表示させたい場合は、費用が高くなる可能性があります。

ショッピング広告

▽メリット

1.商品画像や価格を表示可能

 ショッピング広告では、商品の画像・商品名・価格等を表示することが可能です。ユーザーが広告をクリックする前に、商品情報を視覚的に伝えることが可能なため、サイト流入前にユーザーの購買意欲を高めることが可能です。

2.商品ページへ直接誘導が可能

 ショッピング広告は、広告をクリックするとその広告で表示されていた商品のページへ遷移するというシンプルな導線でユーザーをECサイトへ誘導することが可能です。そのため、広告で興味を持ったユーザーがサイト内で迷うことなく購買行動を行うことができます。

3.キーワード設定が不要

 ショッピング広告では、商品フィードやランディングページ(ユーザーが最初にアクセスするページ)情報に基づいて、表示される検索語句が決定される仕組みです。そのため、自社でキーワードを設定する必要はなく、リスティング広告と併用していた場合、リスティング広告で設定していなかったキーワードで売上につながる可能性があります。

▽デメリット

1.商品フィードの作成/更新が必要

 ショッピング広告を利用するためには、商品名・説明文・金額等の商品データ(商品フィード)を登録する必要があります(カートASPによっては、連携機能で作成/更新の必要がないものあり)。商品フィードは、商品ごとに設定する必要があり、商品数が多い場合は設定に工数がかかります。また、セールでの価格変更や在庫切れ等、商品状況が変化する場合はデータを更新する必要があり、運用にも工数がかかります。

2.キーワードごとに入札調整できない

 キーワード設定をする必要がないというメリットがある一方で、特定のキーワードで配信を強化することはできません。ただし、表示させたくないキーワードがある場合は、除外キーワードとして設定する必要があります。 なお、ショッピング広告についてはこちらの記事で詳しくまとめておりますので、より詳細を知りたい方は是非ご確認ください。

ディスプレイ広告

▽メリット

1.画像による視覚的な訴求が可能

 ディスプレイ広告は画像による視覚的な訴求が可能なため、テキストだけでは伝わりにくい商品やサービスの魅力を伝えることができます。そのため、サイト流入前にユーザーの購買意欲を高めることが可能です。

2.幅広いユーザー層に表示可能

 リスティング広告やショッピング広告は「検索連動型広告」であるため、商品やサービスについて検索しなければ広告は表示されません。一方で、ディスプレイ広告は、商品やサービスについて知らないユーザーにも広告を表示することが可能なため、幅広いユーザー層に広告を表示することができます。

▽デメリット

1.コンバージョン率が低くなる傾向がある

商品やサービスについて知らないユーザーにも広告表示が可能であることがメリットである一方、幅広いユーザー層にアプローチができる故にコンバージョン率が低くなる傾向があります。そのため、数値結果だけの判断ではなく、ディスプレイ広告のアプローチ可能なユーザー層を理解し、ディスプレイ広告の配信目的を明確にすること(目的:商品やサービスの認知拡大やイメージ定着等)が必要です。

リマーケティング(リターゲティング)広告

▽メリット

1.コンバージョン率が高くなる傾向がある

 リマーケティング(リターゲティング)広告は、商品やサービスに一度は興味を持ちながらもサイトから離脱した見込客に対して、再びアプローチをすることができる広告です。配信対象となるユーザーは一度サイトに訪れて商品情報に触れているため、コンバージョンに繫がりやすい傾向があります。

2.検討期間の長い商材に有効

 高額商品や買い換えるまでの期間が長い商品等、ユーザーが購入するまで検討する期間が長い商品の場合、ユーザーは比較検討している間に自社サイトを忘れてしまう可能性もあります。そのため、ユーザーに適度に広告を配信し続けることにより、ユーザーの購買意欲が高まったタイミングで、商品の訴求をすることができます。

▽デメリット

1.ユーザーに不快感を与える可能性がある

 広告表示回数が多すぎると、ユーザーは広告を不快に感じてしまい、商品や企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。「フリークエンシーキャップ」の設定を行い、同じユーザーに対して広告配信の上限回数を設定し、適度な頻度でアプローチするような工夫が必要です。

2.アプローチ可能な数に限度がある

 リマーケティング(リマーケティング)広告が配信できるのは、「一度サイトに訪問したユーザーのみ」です。そのため、自社の商品やサービスを知らないユーザー層へのアプローチはできず、認知拡大や新規ユーザーの獲得に繋げることはできません。他のWeb広告を併用し、配信対象者を増やすような工夫が必要です。

SNS広告

▽メリット

1.精度の高いターゲティングが可能

 SNS広告では、各種SNSに登録する際にユーザーが登録した「性別」「年齢」「居住地域」等の情報から、ユーザー属性を指定して広告を配信することが可能です。また、 SNS広告では、ユーザーが投稿した内容や「いいね」した行動などから、趣味・関心に基づいたターゲティングも可能です。

2.ユーザーの投稿に馴染みやすい

 SNS広告は、ユーザーが見ている投稿等の間に挿入される形で広告が配信されます。そのため、「広告」感が薄まる傾向にあり、他のユーザーが投稿しているように自然な広告配信をすることが可能です。

▽デメリット

1.適切なユーザー属性の設定が必要

 精度の高いターゲティングが可能というメリットがある一方で、適切なユーザー属性でターゲティングを行っていないと、売上と広告の費用対効果が合わずに配信し続けてしまう恐れがあります。そのため、自社の狙いたいターゲット層だけではなく、投稿を見ているユーザーがどのような属性なのかを把握し、ターゲティングを行う必要があります。

2.ユーザーの目を引く投稿が必要

 SNSを利用しているユーザーは、特定の情報を探しているだけではなく、タイムラインに流れる情報を受動的に閲覧している場合も多くあります。そのため、ユーザーの目を引くような投稿でないと、広告が他の投稿に埋もれてしまう恐れがあります。各SNSによって文字数の制限や画像/動画の特徴が異なるため、配信するSNSの特徴を理解した上で、ユーザーの目を引き、商品やサービスの魅力が伝わる投稿が必要です。

検索エンジン別/SNS別の利用ユーザー層

 Web広告の代表的な配信場所として、検索エンジンはGoogle/Yahoo!、SNSはFacebook/Instagram/Twitter/LINE等が挙げられます。 検索エンジンやSNSによって利用しているユーザー層が異なるため、集客したいターゲット層にマッチした配信場所を選択することが重要です。 以下では、代表的な配信場所である Google/Yahoo!/Facebook/Instagram/Twitter/LINEの利用ユーザー層をご説明します。

検索エンジン別利用ユーザー層

 以下では、Google/Yahoo!の性別および年代別の利用率をご紹介します。

※以降のデータは、株式会社ヴァリューズが「全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2020年1月~6月に行ったアンケート」を参照しています。(アンケート回答者は Google:約5,000ss、Yahoo!:約2,000ss)

検索エンジン別利用者層
(参照元: https://manamina.valuesccg.com/articles/1053#outline6

▽Google

・男性利用率の方が高い

・20~40代の利用率が高く、年齢層が低めの世代が中心

▽Yahoo!

・男女比率に大きな差異はなし

・60~代の男性利用率が最も高く、40代以降の年齢層が高めの世代が中心

・20代の利用率が低い

SNS別利用ユーザー層

 以下では、Facebook/Instagram/Twitter/LINEの性別および年代別の利用率をご紹介します。

※以降のデータは、総務省が行った「令和2年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を参照しています。(アンケート回答者は13-69歳までの男女1500人 )
(参照元: https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf

▽Facebook

Facebookの利用者層

【特徴】

・男女比率に大きな差異はなし
・30~40代の利用率が高く、年齢層が高めの世代が中心
・ビジネス利用のユーザーも多い

▽Instagram

Instagramの利用者層

【特徴】

・女性利用率の方が高い
・10〜20代の利用率が最も高い
・ただ、30〜40代の利用率も高く、比較的幅広い年齢層が利用
・Twitterと年齢層別利用率が似ている

▽Twitter

Twitterの利用者層

【特徴】

・20代の利用率が最も高い
・ただ、Instagram同様、30〜40代の利用率も高く、比較的幅広い年齢層が利用
・Instagramと年齢層別利用率が似ている

▽LINE

LINEの利用者層

【特徴】

・性別/年齢層問わず利用率が高い

ターゲット層別おすすめWeb広告

 集客したいターゲット層の設定は、性別や年齢層だけではなく、ユーザーのニーズや状況についても考慮する必要があります。集客したいユーザーは、「自社の商品やサービスを認知しているのか」「商品やサービスの購入検討段階にあるのか」によって、配信すべきWeb広告が変わります。以下では、ユーザーをニーズや状況によって「潜在層」「顕在層」「明確層」の3種類に分類し、各ユーザー層の特徴とおすすめWeb広告をご説明します。

Web広告のターゲット層

潜在層

 「潜在層」とは、自社の商品やサービスを知らない/自社の商品やサービスのジャンルに興味はあるものの、現段階では購入検討をしていない層を指します。潜在層の多くは、検索行動を行っていないため、ユーザー属性や興味関心で配信ができる広告が適しています。特に以下の2種類を利用し、画像や動画を用いて広告を見た段階での興味関心を高めるようにしましょう。

・ディスプレイ広告
・SNS広告

顕在層

 「顕在層」とは、商品やサービスに対して明確なニーズを持っているが、競合製品を含めて検討している(必ずしも自社製品でなくてもいい段階)層を指します。顕在層はニーズを満たす製品を探すために、検索エンジンによる検索や、Webサイトでの情報収集を行っている可能性が高いため、以下の2種類の広告を利用し、自社製品を検討候補に入れてもらうようにしましょう。

・リスティング広告
・ショッピング広告

明確層

 「明確層」とは、商品やサービスに対して明確なニーズを持っていて、自社の商品やサービスについて検討している層を指します。この状態のユーザー心理としては「いつ買うか」を悩んでいる可能性が高いため、以下の広告を利用し、購入タイミングまで自社製品を忘れないようなアプローチを行いましょう。

・リマーケティング(リマーケティング)広告

まとめ

 Web広告それぞれに特徴が異なり、集客したいユーザー層を明確化することで、どのWeb広告を選択すれば良いのかお分かりいただけたのではないでしょうか。Web広告は運用次第で費用対効果の高い広告を配信することが可能です。高い費用対効果を得るには、集客したいユーザー層にマッチしたWeb広告を選定することが重要です。この記事で解説したターゲット層の違いを理解し、自社にマッチした広告を選定してみてください。

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