【Googleアナリティクス】eコマースとは?UA・GA4それぞれの設定方法、レポートの確認方法について解説!
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eコマースとは、ユーザーが商品購入に至るまでの購買行動をGoogleアナリティクス上で計測することができる機能です。この記事では、UA、GA4それぞれにおけるeコマースの設定方法、レポートの確認方法などを詳しく説明いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
※2022年3月16日に、UAはサポートの終了が正式に発表されています。現在はGA4と並行して利用可能ですが、2023年7月1日からは新しいデータ処理ができなくなります。Googleは過去のデータに少なくとも半年間はアクセスできると明言していますが、以下の2点を強く推奨しているため、あらかじめ準備しておくようにしましょう。
・レポートのエクスポート
・GA4(Google Analytics4)への移行
(参考URL:https://support.google.com/analytics/answer/11583528?hl=ja)
Contents
GA4におけるeコマースとは
GA4におけるeコマースとは、ユーザーが商品購入に至るまでの購買行動をイベント単位で計測するものです。計測することで、サイト全体の売上や、どの商品がどれだけ売れているのかを確認することが可能になります。次項では、さらに詳しく、計測できる購買行動について、おすすめのイベント計測設定についてご紹介いたします。
また、eコマースの実装には、計測する対象ページへのdataLayerの記述追加、Google Tag Manager(GTM)上での設定追加が必要です。詳しい設定方法については後述いたします。
eコマースで計測できるイベントとおすすめのイベント計測設定
おすすめは、ユーザーの一般的な購買行動である『商品詳細の閲覧→カート追加→購入手続き開始→購入完了』までを計測できる以下の4つのイベントです。
イベント名 | 内容 |
view_item | ユーザーが商品詳細ページを表示したときに計測 |
add_to_cart | ユーザーが商品をカートに追加したときに計測 |
begin_checkout | ユーザーが商品の購入手続きを開始したときに計測 |
purchase | ユーザーが商品の購入を完了したときに計測 |
この他にも、以下のようなイベントが計測可能です。全て実装する必要はないので、必要なもののみ取り入れるようにしましょう。
イベント | トリガーのタイミング |
add_payment_info | ユーザーが支払い情報を送信したとき |
add_shipping_info | ユーザーが配送先情報を送信したとき |
add_to_wishlist | ユーザーがウィッシュリストに商品を追加したとき |
generate_lead | ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したとき |
refund | ユーザーが払い戻しを受けたとき |
remove_from_cart | ユーザーがカートから商品を削除したとき |
select_item | ユーザーがリストから商品を選択したとき |
select_promotion | ユーザーがプロモーションを選択したとき |
view_cart | ユーザーがカートを表示したとき |
view_item_list | ユーザーが商品やサービスの一覧を表示したとき |
view_promotion | ユーザーがプロモーションを表示したとき |
GA4におけるeコマースの設定方法
今回はGA4における、購入完了ページへのeコマースの設定方法をご紹介します。
対象のページのdataLayerに記述を追加
まず、対象ページ(今回は商品購入完了ページ)のheadタグ内のdataLayerに記述を追加します。ここでは以下の項目を追加した場合のコードをご紹介します。
※カートシステム管理画面上でheadタグ内の記述を変更できない場合は、サイトのHTMLファイルへアクセスできるエンジニアにソースコードの編集を依頼するなど、適宜対応してください。
パラメータ名 | 対応するディメンション/指標名 |
transaction_id | 決済ID |
value | 収益 |
currency | 通貨 |
items | アイテム情報(繰り返し値) *繰り返しに関する設定は特に不要 |
item_name | 商品名 |
item_id | 商品ID |
price | 商品アイテム価格 |
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
event: "purchase",
ecommerce: {
transaction_id: "202209_01", //決済ID【必須】
value: "5000", //収益【必須】
currency: "JPY", //通貨【必須】
items: [
{
item_name: "GA4グッズ", // 商品名【商品名もしくは商品IDは必須】
item_id: "10000", // 商品ID【商品名もしくは商品IDは必須】
price: 10000, // 商品アイテム価格
}]
}
});
</script>
※dataLayerのコードを対象ページに追加する際には、dataLayerのコードはGTMのコードスニペットよりも上に実装する必要があるため注意しましょう。
※それぞれの変数(例:’transactionId’: ‘202209_01’)には、’202209_01’をそのまま設定するのではなく、各ECパッケージやカートASPによって異なる変数を設定することで、注文ごとの動的な値を取得することができます。詳しくはそれぞれのサービスの担当者に確認することをおすすめします。
Googleタグマネージャー上での設定
これまで、Googleタグマネージャー上でのGA4のeコマースのイベントの設定には、「変数」を設定し、それをカスタムイベントタグの「イベントパラメータ」に設定する必要がありました。
しかし、2022年8月にGA4のイベントタグの「詳細設定」に『eコマース』『eコマースデータを送信』が実装されたことから、適切なdataLayerの記述を行うことで、変数の設定やイベントパラメータの設定が不要になりました。

現在は「e コマースデータを送信」にチェックを入れ、データソース『dataLayer』を選択すればOKです。
eコマース計測の確認

プレビューをクリックし、eコマースが計測できているか確認しましょう。確認できたら、公開をクリックし設定完了です。
GA4におけるeコマースレポートの確認方法
「収益化」のレポートで確認する方法

左側のナビゲーション『レポート』から、『収益化』をクリックすることでレポートが確認できます。
「概要」では収益化の概要(収益、購入者数、ユーザーあたりの平均購入収益額など)を確認できます。
「eコマース購入数」では、各アイテムの表示回数、カート追加数、購入数や収益などを確認できます。
探索機能「ファネルレポート」を利用する方法

左側のナビゲーション『探索』から、『ファネルレポート』をクリックすることで、より詳しい分析ができます。
Eコマースデータの分析には、「目標到達プロセスデータ探索」レポートがおすすめです。
UAにおけるeコマースとは
UAにおけるeコマースとは、ページ単位でユーザーの購買行動を計測し、ページに対してのセッションをもとにレポートや分析を行うものです。
UAにおけるeコマースの設定方法
こちらでは、UAにおいて、購入完了ページへeコマースを設定する方法をご紹介します。
Google アナリティクスの管理画面上の設定:eコマーストラッキング機能の有効化


Googleアナリティクスの左下の歯車(管理メニュー)から対象のビューを選び、「eコマースの設定」をクリックします。
「eコマースの設定」画面で「eコマースの有効化」をオンにし、保存します。
対象のページのdataLayerに記述を追加
次に、対象のページ(今回は商品購入完了ページ)のdataLayerに以下のように記述を追加します。
※カートシステム管理画面上でheadタグ内の記述を変更できない場合は、サイトのHTMLファイルへアクセスできるエンジニアにソースコードの編集を依頼するなど、適宜対応してください。
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
dataLayer.push({
'transactionId': '1234',
'transactionAffiliation': 'Acme Clothing',
'transactionTotal': 38.26,
'transactionTax': 1.29,
'transactionShipping': 5,
'transactionProducts': [{
'sku': 'DD44',
'name': 'T-Shirt',
'category': 'Apparel',
'price': 11.99,
'quantity': 1
},{
'sku': 'AA1243544',
'name': 'Hat',
'category': 'Apparel',
'price': 9.99,
'quantity': 2
}]
});
</script>
※それぞれの変数(例:’transactionId’: ‘202209_01’)には、’202209_01’をそのまま設定するのではなく、各ECパッケージやカートASPによって異なる変数を設定することで、注文ごとの動的な値を取得することができます。詳しくはそれぞれのサービスの担当者に確認することをおすすめします。
Googleタグマネージャー上での設定

『新しいタグを追加』をクリックします。

『タグの設定→タグタイプを選択』から、『Googleアナリティクス:ユニバーサル アナリティクス』をクリックします。

トラッキングタイプ『トランザクション』を選択し、
Googleアナリティクス設定では、トラッキングIDを設定している変数を指定します。
そのまま下へスクロールし、『トリガー』内の『トリガーを選択してこのタグを配信』をクリックします。

右上のプラスマークから、新しいトリガーを作成します。

『トリガーのタイプを選択して設定を開始』をクリックし、
『トリガーのタイプを選択』から『DOM Ready』をクリックします。

『一部のDOM Readyイベント』をチェックし、
『Page URL』『含む』を選択します。
一番右の枠には対象のページ(商品購入完了ページ)のURLを入力します。
保存をクリックし、設定が完了したら、プレビュー機能でテストを行います。
正しく機能していることが確認できたら、eコマースタグの設定が完了です。
UAにおけるeコマースレポートの確認方法

アナリティクスのナビゲーションメニューから、『コンバージョン>eコマース>概要』をクリックすることで、eコマースのレポートが確認できます。こちらでは、以下のようなレポートを確認することができます。
・eコマースのコンバージョン率:注文に繋がったセッションの割合
・トランザクション数:注文があった個数
・収益:売上金額の合計
・平均注文額:一回の注文毎の平均の売上額
・キャンペーン:Google広告などのリスティング広告経由のトランザクション・収益金額・平均注文金額
・サイト内プロモーション:サイト内のプロモーション(広告リンクやバナーなど)の表示回数
・オーダークーポンコード:サイト内で利用可能なクーポンを使用して商品を購入した数や平均額など
・アフィリエーション:それぞれの流入におけるトランザクション・収益金額・平均注文金額
・ベストセラー:商品やカテゴリ毎の売上が高いものを順に表示
まとめ
いかがでしたか?UA、GA4それぞれのeコマースの設定方法、レポートの確認方法はお分かりいただけましたでしょうか。購入情報を計測し、レポートを確認することは、ECサイトを運営する上で大変重要ですので、是非設定してみてください。また、UAがサポート終了する前には、レポートのエクスポート、GA4(Google Analytics4)への移行を必ず行なっておくようにしましょう。