Instagramの企業アカウントを育成するために様々な施策がありますが、ECサイトを運営する方にとって「キャンペーン」の実施は非常に重要です。
ECサイトの売上を上げるためには、Instagramからの集客が効果的ですが、数ある施策の中でもキャンペーンの実施は特に売上増加に効果的であるといえます。
本記事では、Instagramのキャンペーンの中でも「ECに特化した」キャンペーンの成功例やキャンペーン実施の際の注意点などを詳しく解説します。また、ECに特化した成功例10選（景品がとても豪華で多くのユーザーが参加しているような投稿）を掲載しておりますので自社のキャンペーン実施の際の参考にしてみてください。

Instagramのキャンペーンとは？

Instagramのキャンペーンとは、企業やブランド、商品の認知拡大のために行うマーケティング手法のことを指します。ある条件を設定し、自社商品を譲渡するなどのメリットをユーザーに提示することによって、自社アカウントやブランド、商品の認知度を獲得することが可能になります。

キャンペーンの種類

Instagramのキャンペーンは大きく分けて2つに分かれます。
(1)エンゲージメントを条件とするキャンペーン
いいねやコメント、アカウントのフォローなどのアクション（エンゲージメント）を応募条件とするキャンペーンがあります。キャンペーンに対して興味をもったユーザーからのエンゲージメントが期待できるため、通常投稿を投稿する場合と比較して多くのエンゲージメントを獲得することが可能になります。
(2)投稿を条件とするキャンペーン
ユーザーに自社商品やブランドに関する投稿をしてもらうことを参加条件とするキャンペーンがあります。「＃」でキャンペーン内容を記載したり自社アカウントのタグ付け（ユーザーの投稿にアカウントを紐づける機能）を行ったりすることで、参加者の投稿を確認することが可能です。
エンゲージメントを条件とするキャンペーンと比較すると、ユーザーは投稿をする必要がある ため、参加のハードルはやや高くなります。

実際には、ユーザーの参加ハードルが低いことから(1)のエンゲージメントを条件とするキャンペーンが実施されるケースが多いです。

キャンペーンの効果

キャンペーンを実施すると以下のような効果が得られます。
(1)ブランドや自社商品の認知拡大につながる
キャンペーンの実施は主に新規顧客への自社ブランドや商品の認知拡大につながります。キャンペーン投稿によってリーチしたユーザーからのエンゲージメント獲得や、フォローを促すことが可能です。

(2)UGCとして活用できる
UGCとは、「User Generated Content」の略称で、ユーザーが作成したコンテンツを指します。Instagram上でのUGCは、「指定のハッシュタグをつけた投稿」や「@メンションをつけたリポストやストーリーズ」「商品写真の投稿」などが該当します。
UGCを集めることで、自社商品の使用イメージや使用感（レビュー）などをユーザーに伝えられることや、客観性のある情報を訴求できることなどのメリットがあります。
投稿を条件とするキャンペーンの場合、UGCを効率的に集めることが可能になります。そのため、特にアカウントを開設して間もない方にとっては、キャンペーンの実施はUGCを集めるうえで非常に効果的であるといえます。
UGCの活用方法についてはこちら の記事で詳しく解説しています。

(3)リピーター獲得に繋がる
Instagramキャンペーンは一般的に、リピーターの獲得よりも新規顧客の認知拡大を目的とするケースが多いです 。しかし、インセンティブ （ユーザーに与えるメリット）をクーポンなどリピーターにとって魅力的な内容にすることによってリピーター獲得にもつながります。ターゲットをリピーターにする場合は選定するインセンティブが大きく変わってくるため、ターゲットに適した商品の選定を行いましょう。

このように、キャンペーンを実施するとEC販売を行うアカウントにとって多くの効果が得られます。特にアカウント初期の方にとっては、アカウントを育成するきっかけづくりのためにも適切なキャンペーンの実施をおすすめします。

キャンペーン実施の際の注意点

Instagramのキャンペーンを実施する際には、Instagram公式が発表している2つのガイドラインである「プロモーションガイドライン」と「コミュニティガイドライン」 に沿ったキャンペーン内容である必要があります。
「プロモーションガイドライン」は、コンテスト、懸賞等の案内や運営に関する規約が記載されており、「コミュニティガイドライン」は（一般のユーザーを含む）全ユーザーに向けたInstagramの規約が記載されています。
これらのガイドラインを違反してしまうと、アカウントの停止や削除が考えられますので、ガイドラインは必ず遵守しましょう。
ガイドラインに記載されている情報の中から、キャンペーン実施の際に留意するべき事項を抜き出すと、主に以下の3つになります。

・規約と資格要件を設定すること
・フォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供をしない
・Instagramの投稿は投稿者に帰属する（UGCはあくまで投稿者の所有物であるため、当人の許諾がない場合は複製行為に当たる）

また、Instagramのガイドラインは改定されることもあるため、定期的にチェックすることをおすすめします。Instagramのガイドラインは以下からご覧ください。
★プロモーションガイドラインはこちら
★コミュニティガイドラインはこちら

キャンペーンの実施手順と気を付けるポイント

ここからは実際にキャンペーンを実施する際の手順を、気を付けるべきポイントも踏まえながら紹介します。

(1)目的/目標を設定する

まずはキャンペーン実施の目的や目標（KPI）を設定しましょう。
キャンペーン実施の目的の例は以下のようなものが挙げられます。
・認知拡大
・フォロワー獲得
・エンゲージメント獲得
目的を決定した後は、目標（KPI）を設定しましょう。
例えば、認知拡大が目的であればキャンペーン投稿のリーチ数、フォロワー獲得であればキャンペーン期間の獲得フォロワー数、エンゲージメント獲得であればキャンペーン投稿のエンゲージメント数などがKPIに当たります。
目的と目標（KPI）を明確にすることで、それらを達成するためのキャンペーン内容に紐づけることが可能です。

(2)キャンペーン内容を企画する

次に目的と目標を達成するためのキャンペーンの内容を企画します。企画内容は成果に大きく影響するため、企画内容は慎重に決定しましょう。
企画内容として具体化する内容は以下のようなものが挙げられます。
・参加条件
・実施期間
・予算
・インセンティブ商品
・当選人数
・投稿につけるハッシュタグ
上記の内容を決定する際には、他アカウントが既に実施しているキャンペーン投稿をチェックすることが有効です。
他アカウントのキャンペーン投稿の探し方としては、＃プレゼントキャンペーンなどで検索したり、本記事で紹介するECに特化したキャンペーン成功事例などを参考にしたりしてみましょう。

(3)キャンペーンを実施する

キャンペーン内容の企画が完了したら、実際にキャンペーン投稿を作成/投稿しましょう。キャンペーンの参加者を増やすためには、以下のようなポイントを意識しましょう。
・ユーザーの目を引くデザインの投稿を行う
・新規ユーザーにリーチしやすいリール投稿も活用してキャンペーンを発信する
・フィード/リール/ストーリーズ投稿だけでなく、 Instagram外でもキャンペーンについて発信する
・キャンペーン期間内は継続的にキャンペーン実施の旨を発信する
・予算内で対応可能であればInstagram広告を活用する
※Instagram広告についてはこちら で詳しく解説しています

(4)キャンペーン当選者の決定/インセンティブの送付

キャンペーン期間が終了したら、当選者を決めましょう。当選者を決定したら、当選者とInstagramのDM機能などを用いてやり取りをし、インセンティブを送付しましょう。

(5)効果検証をする

キャンペーンは実施して終わりではありません。最初に設定したKPIを達成しているかどうかを検証しましょう。
効果検証を行い、反省点を次回のキャンペーンに生かし、効果を最大化しましょう

企業Instagramのキャンペーン成功例10選

最後に、実際に企業が行ったInstagramのキャンペーン事例をご紹介します。EC販売を行う企業に限定して選定しておりますので、自社の商材と共通点のある成功例を参考にしてみてください。

(1)nico and…

https://www.instagram.com/p/CwWgj2LhRPe/

nico and…はアウトドア商品を扱うDODとのコラボ商品を販売しており、それらの認知拡大のためのキャンペーンを行いました。景品がとても豪華で多くのユーザーが参加しています。

(2)くらしと生協

https://www.instagram.com/p/CxB9d01pFno/?img_index=1

くらしと生協は、アパレル用品や暮らしの雑貨など幅広いジャンルの商品のEC販売を行うアカウントです。今回記載しているキャンペーンではキャンペーン期間後の季節に活躍しそうな秋冬物のアパレル商品をインセンティブとして選定しています。キャンペーン投稿内で商品の魅力も訴求できている投稿なので、アパレル商材を販売する方は特に参考になるキャンペーンです。

(3)バランスチェアのバランスラボ

https://www.instagram.com/p/CwW9vEjpyrQ/

バランスチェアのバランスラボでは子供の姿勢改善用の椅子を販売しており、キャンペーンではより新規ユーザーに届きやすいという特徴をもつリール動画にて投稿しています 。

(4)ONWARD CROSET

https://www.instagram.com/reel/CxfeItTygTV/

ONWARD CROSETはEC販売を行うアパレルブランドです。拡散力が高く、アパレル商品の着用感がわかりやすいリール動画にて投稿していることが特徴です。アパレル商品を扱う方はリール投稿でのキャンペーン実施を検討すると良いでしょう。

(5)DEMIDO（デミドゥ）

https://www.instagram.com/p/CxHeW_4y97r/?img_index=1

DEMIDOはヘアケア商品を扱う比較的新しいブランドです。2023/4/12の発売開始から半月以内に約1万人のフォロワーを獲得しています。
このキャンペーンの特徴は、当選者数が30名ととても多いです。キャンペーンに比較的費用をかけることが可能な方や、商品の単価が安い場合などは当選者数を増やすことで参加のハードルを下げることが可能になります。

(6)肉球レスキュー

https://www.instagram.com/p/Cw86-QOP_Up/?img_index=1

肉球レスキューはペットの肉球ケアを行う商品であり、肉球レスキューのPRを専門とするアカウントが開設されています。本キャンペーンは、救急の日（9/9）に合わせて「ペットも救急の日」をコンセプトに実施されています。

(7)博多大東園

https://www.instagram.com/daitoenshop/

博多大東園は福岡にある焼肉店で、ECショップでは精肉や博多の「うまかもん」を販売しています。実店舗販売とEC販売を両立されている方にとって、アカウントの運用方法は参考になるでしょう。

(8)ミニョンドゥビジュー

https://www.instagram.com/mignon_de_bijoux/

ミニョンドゥビジューはピアスやリングなどのアクセサリーをEC販売するショップです。本キャンペーンではキャンペーン実施時期にぴったりな秋らしいカラーのアクセサリーをインセンティブとしています。アクセサリーを販売する方は、季節を意識した商品を選定するとよいでしょう。

(9)PROJECT-EE

https://www.instagram.com/reel/CxSs-WLS4HA/

MAIMOはスーツケースのEC販売を行っているブランドです。新規ユーザーへの拡散力の高いリールにてキャンペーン告知を行っています。

(10)NAME LAND

https://www.instagram.com/p/CxMy-SLLecj/?igshid=MzRlODBiNWFlZA%3D%3D

NAME LANDはCASIO社内のブランドの一つであり、ラベルライターのブランドです。本キャンペーンは、商品のアンバサダーとして活動いただける方のみ応募可能とする難易度が高いキャンペーンとなっておりますが、「商材のPRをしてほしい」という明確な目的がある方には適したキャンペーン内容となっています。しかし、ユーザーにとってキャンペーン参加のハードルは高くなるため注意しましょう。

企業が行ったInstagramのキャンペーン事例10選は以上です。自社商品と共通項のあるキャンペーンが見つかったのではないでしょうか。
自社でキャンペーンを行う際には、ぜひこれらの成功例をヒントにしてください。

まとめ

この記事でご説明したキャンペーンの成功例やキャンペーン実施の際の注意点について理解いただけましたでしょうか？

自社でのキャンペーン実施難しい場合は、Instagramの競合分析を専門とする企業に委託をするのも一つの手段です。弊社ではキャンペーンを含め、ECサイトを運営される企業様のInstagram事業全般をサポートしております。詳しいサービス内容はこちら からご覧ください。

正しいキャンペーン実施のもとでアカウント運用を改善し、ECサイトへの流入を増加させることで、売上増加を目指しましょう。