Amazonブランド分析とは?使い方から確認できるデータ、活用方法まで徹底解説
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Amazonでブランド登録を行い、商品の販売を始めたものの、「ブランド分析をどう使えばいいかわからない」——そんな方も多いのではないでしょうか。
Amazonブランド分析は、購入者の検索・購買行動を確認できる、Amazon公式の無料分析ツールです。本記事では、利用条件や画面の開き方、主なダッシュボード・レポート、活用方法までを解説します。
Contents
Amazonブランド分析(Brand Analytics)とは
Amazonブランド分析(Brand Analytics)は、Amazonが無料で提供している公式のデータ分析ツールです。
購入者が商品をどうやって見つけ、どんな反応をしたのかを確認できます。
たとえば「どんなキーワードで検索されているか」「クリックされても購入されない商品はどれか」といったことが分かるため、売れ行きの変化に気づいたり、新しい販売のヒントを見つけたりしやすくなります。
外部の分析ツールの多くは、公開されている情報から推定した数値をもとにしています。
一方、Amazonブランド分析は、Amazonが実際に持っている検索データや購買データをそのまま確認できるツールです。
そのため、より正確な情報をもとに、商品ページの改善や広告の見直しを検討できます。
なお、Amazonブランド分析を使えるのは、後述する「ブランド登録」を済ませた販売者のみです。
ブランド登録との関係
Amazonブランド分析を利用するまでの基本的な流れは、次のとおりです。
- 商標登録を行う(商標登録には数か月〜1年程度かかる場合があります)
- 商標をもとに、Amazonへブランド登録(Brand Registry)を申請する
- ブランド登録が完了すると、ブランド分析を利用できるようになる
ブランド登録は「Amazonの中でブランドの責任者になる」ための手続きであり、ブランド分析を利用するための前提条件にあたります。
ブランド登録自体の詳しい手順や条件については、「【Amazonブランド登録の完全ガイド】申請方法とできない場合の対処法」で解説してるので、あわせてご確認ください。
Amazonブランド分析を利用するための条件
Amazonブランド分析を利用するためには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。
- セラーアカウントまたはベンダーアカウントを保有していること
- Amazonブランド登録(Brand Registry)を完了していること
ブランド登録の完了自体に、追加費用はかかりません。
ただし、登録の前提となる商標登録には、出願料や登録料などの費用と、審査期間がかかる点に注意が必要です。
また、ブランド登録を完了しているにもかかわらず、セラーセントラル上に「ブランド分析」のメニューが表示されないケースもあります。
この場合、Brand Registryに登録されたブランド所有者として必要な権限を保有しているかどうかを確認しましょう。
Amazonブランド分析の使い方
ここでは、ブランド分析ダッシュボードへのアクセス方法と、まず「どこから見ればよいか」を順番に解説します。
画面の開き方

Amazonブランド分析には、セラーセントラルのメインメニューからアクセスします。
- セラーセントラルにログインする
- メインメニューの「ブランド」にカーソルを合わせる
- 表示されたメニューから「ブランド分析」を選択する
この操作を行うと「ホーム」画面が表示され、上位区分の購入者数やリピーターの売上といった主要指標のサマリー、カスタマージャーニーの概要、各詳細ダッシュボードへのリンクをまとめて確認できます。
知りたい内容に応じて、画面上部のタブやダッシュボードのカードから、詳細な画面へ移動する仕組みです。

ダッシュボードのどこから見ればよいか
Amazonブランド分析には複数のダッシュボード・レポートがあるため、初めて使う際は「どこから確認すればよいか」が分かりにくいかもしれません。
まずは次の順番で見ていくことをおすすめします。

①「カタログのパフォーマンスを検索」:商品ごとの「インプレッション→クリック→カート追加→購入」という流れを確認し、どの段階に課題がありそうかを把握する
②検索クエリパフォーマンス:課題が見えてきたら、どの検索キーワードから自社商品が見つかり、クリック・購入されているのかを確認する
③目的に応じたその他のダッシュボード・レポート:SEOや市場動向、リピーター対策、商品企画など、知りたい内容に応じて必要な機能を使い分ける
②の検索クエリパフォーマンスには「ASINビュー」という見方があり、選択した検索クエリについて、自社商品を含む上位10商品のパフォーマンスを比較できます。狙っているキーワードで競合と比べてどの程度の成果が出ているかを確認したい場合に活用できます。
③で、どのダッシュボード・レポートを見ればよいかを、目的別に整理すると次のとおりです。
| 知りたいこと | 確認するダッシュボード・レポート |
|---|---|
| 購入者の行動全体を把握したい | カスタマージャーニー分析 |
| リピーター施策を検討したい | 顧客ロイヤリティ分析/リピート購入行動 |
| SEOや市場動向を把握したい | 上位の検索キーワード |
| セット販売や新商品開発のヒントが欲しい | マーケットバスケット分析 |
| 購入者の属性を把握したい | 人口統計 |
各ダッシュボード・レポートで具体的に確認できる内容は、次の章で詳しく解説します。
Amazonブランド分析で確認できる主なダッシュボード・レポート
Amazonブランド分析は、大きく分けて「2つのダッシュボード」と「2つのレポート群(計6レポート)」で構成されています。

カスタマージャーニー分析

カスタマージャーニー分析では、最初の訪問からリピート購入まで、購入者がどのようにブランドと関わっているかを確認できます。
画面上部の「認知」「検討」「意図」「購入」という4つの段階タブを切り替えることで、それぞれの段階における購入者の行動を確認できます。
- 上位検索クエリ:購入者が類似商品を探す際によく使う検索用語と、どの検索が自社商品につながっているかを確認できる
- 上位ASIN:ショッピング体験の各段階で、特に注目を集めている商品を確認できる
- トレンド:期間を比較しながら、購入者の行動の変化や季節的なパターンを確認できる
「購入者がどの段階で関心を失っているのか」「新規購入者をどう増やすか」といった、購買プロセス全体を俯瞰したいときに活用できるダッシュボードです。
顧客ロイヤリティ分析

顧客ロイヤリティ分析では、購入者をロイヤリティ(ブランドへの忠実度)別にグループ化し、購入パターンを分析できます。
ブランドに対する購入者の価値を高めたいときに、施策検討の材料として役立つ機能です。
すべての購入者は、次の4つのセグメントに分類されます。
| セグメント | 内容 |
|---|---|
| 上位 | 頻繁に購入する購入者 |
| 有望 | 最近購入した購入者 |
| 要注意 | たまに購入する購入者 |
| 休眠 | 購入が途絶えている購入者 |
ダッシュボードには、購入者全体の傾向を確認できる「ブランドビュー」と、各セグメントの売上データ・注文履歴・リピート購入パターンを詳細に確認できる「セグメントビュー」の、2つの見方があります。
セグメントビューでは、最近の購入時期・購入頻度・支出額をもとに、購入者ごとの今後の支出予測も確認可能です。
たとえば、上位・有望購入者には特典を用意して維持を図り、要注意・休眠購入者には特別プロモーションで再び関心を引き付ける、といったように、セグメントに合わせた施策を検討できるでしょう。
検索分析

検索分析は、購入者が商品をどのように見つけ、どのように反応したかを掘り下げるためのレポート群です。
次の3つのレポートで構成されています。
| レポート名 | 確認できる内容 |
|---|---|
| カタログのパフォーマンスを検索 | 商品ごとのインプレッション数・クリック数・カート追加数・購入数を確認できる。見つけやすいが売れていない商品などを特定できる |
| 検索クエリパフォーマンス | 特定の検索用語ごとに、表示回数・クリック数・カート追加数・購入数を確認できる。自社商品にとって有益な検索用語を把握できる |
| 上位の検索キーワード | Amazonストア全体で、よく検索されている用語のランキングを確認できる。検索用語ごとにクリックの多い上位3ブランド・カテゴリー・商品も分かる |
「カタログのパフォーマンスを検索」では、クリック率(CTR)とコンバージョン率をあわせて確認するのがポイントです。
インプレッションは多いもののクリックが少ない場合はタイトルや画像の見直し、クリックは多いもののコンバージョン率が低い場合は商品説明や価格の見直しが有効な場合があります。
「カタログのパフォーマンスを検索」で確認できる主な指標は、次のとおりです。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| インプレッション数 | 検索結果ページにASINが表示された回数の合計 |
| クリック数 | 検索結果ページからASINがクリックされた回数(商品詳細ページの閲覧数)の合計 |
| クリック率(CTR) | インプレッション数に対するクリック数の割合 |
| カートへの追加数 | 検索結果ページ経由でカートに追加された回数の合計 |
| 購入数 | 検索結果ページ経由で購入された回数の合計 |
| コンバージョン率 | クリック数に対する購入数の割合 |
| 検索トラフィック売上 | 検索結果ページ経由の購入によって発生した売上の合計 |
| 価格(中央値) | 表示された時点での出品価格の中央値(クーポン・割引などを反映) |
| 評価(中央値) | 検索結果ページに表示された時点でのASINの評価(レビュー評価)の中央値 |
検索クエリパフォーマンスでは、Amazonが各検索クエリを独自のスコアでランキング付けしており、上位1,000件までのクエリが一覧表示されます。
ランキングは、インプレッション数・クリック数・カート追加数・購入数など複数の指標を組み合わせて算出される仕組みです。
自社ブランドにとって重要度の高い検索クエリを見極める際の目安として活用できます。
消費者行動分析
消費者行動分析は、購入者がどのようにブランドと関わっているかを、購買パターンの側面から確認するためのレポート群です。
次の3つのレポートで構成されています。

| レポート名 | 確認できる内容 |
|---|---|
| リピート購入行動 | ブランドまたは特定のASINについて、複数回購入した購入者の数を確認できる。リピート販売・リピート注文・リピート購入者数などを前期と比較できる |
| 人口統計 | 年齢・収入・学歴・性別・婚姻状況という5つのカテゴリー別に、購入者数や注文数の傾向を確認できる |
| マーケットバスケット分析 | 自社商品と同じ注文の中で、一緒に購入されている商品(自社・競合を問わない)を確認できる |
たとえば、リピート購入行動で顧客ロイヤリティを促進している商品を特定したり、マーケットバスケット分析でセット販売やクロスセルの機会を探ったりと、それぞれ異なる切り口で購買パターンを把握できます。
データを活用した改善アクション
ブランド分析で得られたデータは、確認するだけでなく、具体的な施策に落とし込むことで初めて効果を発揮します。
代表的な活用方法は次のとおりです。
- 商品の出品情報を最適化する:より効果的な商品名・説明・商品仕様・商品紹介(A+)コンテンツを作成する
- 広告戦略を立案する:検索用語のデータをもとに、よりターゲットを絞った広告キャンペーンを作成する
- 補充する在庫を決定する:人気商品や売れ行きが悪い商品を特定し、在庫計画に反映する
- 商品の見つけやすさを改善する:人気の検索用語を商品の出品情報に追加する
- セレクションを拡大する:新商品のアイデアや、セット品としての販売機会を検討する
- 購入者ターゲティングを強化する:購入者のショッピング行動に基づいた、期間限定プロモーションを検討する
- 市場動向を追跡する:季節的なパターンや、新たな購入者の好みをモニタリングする
ここでは、特に取り組みやすい3つの活用シーンについて、もう少し具体的に見ていきましょう。
上位の検索キーワードを使ったSEO対策
上位の検索キーワードを確認すると、狙いたいキーワードで自社商品が上位に表示されているか、表示されていない場合はどの出品者が上位を占めているかを把握できます。
自社商品が上位に入っていないキーワードのうち、商品との関連性が高いものについては、商品名や商品説明、検索用語(サーチターム)にキーワードを反映できないか検討しましょう。
あわせて、季節性やトレンド性の高いキーワードが見つかった場合は、特集ページやプロモーションとの連動も検討できます。
検索クエリパフォーマンスを使った広告運用の見直し
検索クエリパフォーマンスでは、キーワードごとのクリック数・カート追加数・購入数を確認できます。
「クリック数は多いが、カート追加数や購入数が少ない」キーワードが見つかった場合、そのキーワードでの広告配信が、商品ページの内容と噛み合っていない可能性が考えられます。
反対に、クリック数・購入数がともに多いキーワードは、自社ブランドとの相性がよい候補といえるでしょう。
広告キャンペーンで重点的に狙う際は、上位の検索キーワードとあわせて確認すると、優先順位を検討しやすくなります。
リピート購入行動を使ったリピーター施策
リピート購入行動では、ブランドまたは商品ごとのリピート購入者数やリピート売上を確認できます。
リピート率が高い商品が見つかった場合は、その商品の特徴(価格帯、使用シーン、パッケージなど)を分析し、他の商品にも応用できないかを検討しましょう。
消耗品や定期的な買い替えが発生する商品では、特にリピート購入行動の傾向が施策検討の材料になりやすい項目です。
あわせて顧客ロイヤリティ分析のセグメント別施策も参考にしてください。
Amazonブランド分析を利用するときの注意点
ブランド分析を活用するうえでは、次の点に注意しましょう。
- 数値だけで原因を断定しない:クリック数や購入数が低い背景には複数の要因が考えられるため、他のデータや実際の商品ページとあわせて確認する
- 一時点の数値だけで判断しない:前期・前年など、期間ごとの変化を比較する。また、施策の実施前後で数値を比較する
- セールや季節性の影響を考慮する:セール時期や季節要因によって数値が変動する場合があるため、通常期のデータと分けて確認する
- 利用にはブランド登録が前提となる:商標登録やブランド登録の手続きには一定の時間と費用がかかる点を、あらかじめ把握しておく
- データを読み解くスキルが求められる:ブランド分析には多くの指標が用意されているため、初めのうちはすべてを使いこなそうとせず、まずは本記事で紹介した「どこから見ればよいか」の順番で慣れていく
- データを確認するだけで終わらせない:数値を把握しただけでは成果につながらないため、商品ページの改善や広告運用など、具体的な施策への反映まで意識する
まとめ
Amazonブランド分析は、ブランド登録を完了した販売者が使える、Amazon公式の無料データ分析ツールです。
カスタマージャーニー分析・顧客ロイヤリティ分析という2つのダッシュボードと、検索分析・消費者行動分析という2つのレポート群から、購入者の行動をさまざまな角度で確認できます。
用意されているダッシュボードやレポートは一つひとつ役割が異なるため、そのときどきの目的に応じて使い分け、日々の分析に役立てていきましょう。
