【EC事業者向け】Facebook/Instagramのカルーセル広告の特徴・設定・制作のコツ
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この記事をご覧の皆さまは、Facebook/Instagram広告(以下、FBIG広告)のカルーセル広告について、以下のようなお悩みを持っている方々もいらっしゃるのではないでしょうか?
・「カルーセル広告」という名前は聞いたことあるが、詳しく知らない
・カルーセル広告をどのように活用すればいいのかわからない
・カルーセル広告を始めたいが、どのように設定すればいいのかわからない
・カルーセル広告で効果を出すためには、どのような広告を制作すれば良い? …etc
この記事では、そもそもカルーセル広告をあまり詳しくない方から今後カルーセル広告を始めていかれたい方までのお悩みを解決するために、「カルーセル広告の特徴」から「設定方法・制作のコツ」まで幅広く解説いたします。
Contents
FBIG広告で活用できる配信形式(フォーマット)
配信形式(フォーマット) | 特徴 |
画像広告 | 1枚の画像とテキストで構成
素材準備の手間が少なく、手軽に始められる |
動画広告 | 動きと音声の活用が可能
画像広告よりもより多くの情報を伝えることができる |
カルーセル広告 |
最大10枚のクリエイティブで構成可能
複数商品の紹介や1つの商品を詳しく紹介するなどで活用可能 |
コレクション広告 |
商品カタログのように広告を表示することが可能
ECサイトを閲覧しているような体験をユーザーに提供できる |
インスタントエクスペリエンス広告 | スマートフォン限定のフォーマット
1枚のページで広告を表示させることができ、LPとして活用可能 |
FBIG広告では、上記5種類の配信形式(フォーマット)を利用することができます。自社の商品・サービスの訴求目的によって利用すべきフォーマットは異なりますが、この記事では、商品・サービスの魅力を「情報量多く」「多角的に」訴求できるという特徴を持ったカルーセル広告について詳しく解説します。
なお、他のフォーマットを知りたい方がいらっしゃいましたら、こちらの記事で各フォーマットの種類・特徴などの基礎情報を解説していますので、併せてご確認ください。
カルーセル広告とは
カルーセル広告とは、複数のクリエイティブ(画像や動画)を組み合わせて広告を構成することができるフォーマットです。スマートフォンの場合はスワイプ、パソコンの場合は画面内の左右の矢印をクリックすることで、一連のクリエイティブを表示させることが可能です。
FBIG広告におけるカルーセル広告の特徴
次に、FBIG広告におけるカルーセル広告の特徴を以下でご説明します。
1.最大10枚のクリエイティブを組み合わせた広告構成
FBIG広告の基本的フォーマットである「画像広告」では、1つの広告に対して設定できるクリエイティブは1枚のみですが、「カルーセル広告」では2~10枚のクリエイティブを設定することが可能です。そのため、画像広告と比較して、自社の商品・サービスの魅力を情報量多く伝えることができます。
2.全クリエイティブにCTAを設定可能
FBIG広告では、設定した全クリエイティブに対してCTA(Call to Action:コールトゥアクション)を設定することができます。例えば、商品を紹介する広告には「詳しくはこちら」というCTAを設定したり、イベント・キャンペーンを紹介する広告には「申し込む」というCTAを設定したりといった、各広告の訴求内容に合わせたCTAを設定することが可能です。ただし、FBIG広告のカルーセル広告では、クリエイティブごとに「異なる」CTAを設定することはできず、全クリエイティブに共通した「同一」のCTAが設定されることには留意が必要です。
3.クリエイティブごとに異なるリンクを設定可能
上記2において、「FBIG広告のカルーセル広告ではクリエイティブごとに異なるCTAを設定することはできない」とお伝えしましたが、クリエイティブごとに異なる「リンク」を設定することは可能です。そのため、AのクリエイティブにはA関連のページ、BのクリエイティブにはB関連のページなど、クリエイティブごとにユーザーの誘導先を設定することができます。
カルーセル広告の活用方法
FBIG広告のカルーセル広告には、以下のような活用方法があります。
・商品のバリエーションを紹介
・1つの商品・サービスを詳しく紹介
・商品・サービスの使用方法や手順などを紹介
各活用方法について、以下で詳しく説明します。
複数の商品・サービスを紹介
カルーセル広告では、最大10枚のクリエイティブを設定することができるため、各クリエイティブで異なる商品・サービスを紹介することで、「商品・サービスのカタログ」のように見せることが可能です。また、カルーセル広告は、各クリエイティブごとに異なるリンクを設定することが可能であるため、各クリエイティブごとに各商品・サービスのページのリンクを設定し、表示された商品・サービスページへ遷移できる導線を設置することができます。
特に、商品数を多く取り扱っているECサイト運営者の方に、おすすめの活用方法です。
商品のバリエーションを紹介
カルーセル広告では、最大10枚のクリエイティブを設定できることを活かし、商品・サービスの種類の多さを訴求することもできますが、1つの商品に対して色やスペックなどのバリエーションを見せることも可能です。同じ商品でも、複数選択肢があることでユーザーニーズは異なる恐れがあるため、ユーザーの好みにマッチするものを見つけてもらえる可能性を高めることができます。
1つの商品・サービスを詳しく紹介
画像広告では1つの広告に対して設定できるクリエイティブは1枚のみであるため、商品・サービスの魅力を十分に訴求できない恐れがあります。このような場合には、カルーセル広告を活用することで、1つの商品・サービスをより詳しく紹介することが可能です。例えば、化粧品などの複数の効果(保湿、透明感アップなど)を訴求したい場合や、服飾関連商品のディテールを訴求したい場合に効果的です。
商品・サービスの使用方法や利用手順などを紹介
最大10枚のクリエイティブを続けて表示できるカルーセル広告では、配置する順番を活かして商品・サービスの使用方法や利用手順などを紹介することができます。商品単体の画像や動画を見るよりも、商品・サービスの利用イメージを想起させることができるため、ユーザーに興味を持ってもらえる可能性が高まります。
カルーセル広告の設定方法
次に、カルーセル広告を配信するための設定方法についてご説明します。
配信準備
カルーセル広告を配信するために、以下要件にてクリエイティブとテキストの準備を行います。配置によって必要なクリエイティブサイズは異なるため、配信したい配置のクリエイティブサイズでクリエイティブを制作しましょう。
媒体 | Messenger | Audience Network | ||
クリエイティブの
最小枚数 |
2 | |||
クリエイティブの
最大枚数 |
10 | ストーリーズ:3
フィード:10 |
10 | |
アスペクト比 | 1:1 | ストーリーズ:9:16 フィード:1:1 |
1:1 | |
解像度 | 1080✕1080ピクセル | ストーリーズ:1080✕1920
ピクセル フィード:1080✕1080 ピクセル |
1080✕1080ピクセル | |
画像のファイル形式 | JPGまたはPNG | |||
画像の最大ファイルサイズ | 30MB | |||
動画の長さ | 240分以内(15秒を推奨) | ストーリーズ:15秒以内
フィード:120秒以内 |
120秒以内 | |
動画のファイル形式 | GIF、MOV、MP4を推奨 | |||
動画の最大ファイルサイズ | 4GB | |||
メインテキスト | 125文字以内 | |||
見出し | 32文字以内 | 40文字以内 | 32文字以内 | 40文字以内 |
説明文 | 18文字以内 | ー | 18文字以内 | 20文字以内 |
なお、広告配信するためのFacebookマネージャーや広告アカウントが必要です。まだお持ちでない方は、こちらの記事を参考に登録・作成ください。
設定方法
カルーセル広告は、以下の遷移フローを経て配信設定をすることができます。
▽キャンペーンの作成
- 広告マネージャーの左メニューにある「キャンペーン」を選択し、赤枠部の「+作成」をクリックします。
- キャンペーンの目的を選択し、「次へ」をクリックします。
- 任意で「キャンペーン名」を変更し、「次へ」をクリックします。
▽広告セットの作成
- 任意で「広告セット名」を変更します。
- 自社の配信目的にあった「コンバージョンの場所」「パフォーマンスの目標」「ピクセル」「コンバージョンイベント」を選択します。※広告を配信する際には、コンバージョン計測するサイトにピクセル(FBIG広告のタグ)の埋め込みが必要です。そのため、ピクセル設定がまだの方はこちらをご確認ください。
- 「予算」と「スケジュール」を入力します。※終了日は任意です。終了日を設定しておくことで、設定日時になると自動で広告配信が停止するため、期間限定で広告を配信する場合におすすめの機能です。
- 配信する「オーディエンス」を選択します。なお、FBIG広告で利用できるオーディエンスの特徴やオーディエンスの設定方法については、こちらの記事でご説明しておりますので、是非併せてご確認ください。
- 上述した広告セットに関する項目について選択が完了した後、ページ下部の 「次へ」をクリックします。
▽広告の作成
- 任意で「広告名」を変更します。
- フォーマットを「カルーセル」を選択します。
- 「+カードを追加」をクリックし、登録するクリエイティブを選択します。※カードとは、カルーセル広告用語であり「クリエイティブ」のこと
- 使用するクリエイティブを「+アップロード」をクリックし、アップロードを行います。
- 使用するクリエイティブを選択し、「次へ」をクリックします。
- 「見出し」と「ウェブサイトURL(遷移させたいURL」を入力します。
- ➂~⑥を繰り返して、登録したいクリエイティブを全て設定します。
- メインテキストを入力し、設定したいコールトゥアクションを選択します。
- 最後のクリエイティブをクリックしたユーザーの遷移先を入力します。
- 設定内容に問題なければ、ページ下部から「公開」を選択します。※meta社からの審査が開始し、審査を通過すると広告が配信開始されます。
設定の注意点
▽1.メインテキスト/CTAは全クリエイティブ共通
クリエイティブごとに異なる「見出し」や「説明文」、「遷移先URL」を設定することが可能ですが、「メインテキスト」と「CTA」は全クリエイティブ共通です。そのため、メインテキストとCTAは全クリエイティブを通して違和感がないように、共通した内容を設定する必要があります。
▽2.Instagramのストーリーズにメイン表示されるクリエイティブ数は最大3枚
カルーセル広告では最大10枚のクリエイティブを設定することが可能ですが、Instagramのストーリーズでメイン表示されるクリエイティブは最大3枚までとなります。そのため、残りのクリエイティブはアカウント名の下に表示される「Expand Story(ストーリーズを開く)」というオプションが表示され、「Expand Story」をクリックされない限り、ユーザーに続きのクリエイティブを見てもらうことはできません。
また、他の配置と同じ広告セットで広告を設定していた場合、最初に表示される3枚のクリエイティブは、ユーザーのリアクションによって自動的に選定されます。そのため、クリエイティブの順番が重要である広告構成の場合(商品・サービスの使用方法などを訴求 )は、Instagramのストーリーズのみの広告セットを作成することをおすすめします。配置をInstagramストーリーズのみに限定すると、カルーセルカードの編集画面にて「カードの枚数を固定する」という項目が表示されます。この項目にチェックを入れることで、表示順番を固定することができるので、必要であれば利用しましょう。
カルーセル広告で効果を出すためのコツ
最後に、効果の高いカルーセル広告を配信するためのコツをご説明します。
1枚目に設定するクリエイティブを最重要視する
カルーセル広告において、1枚目にどのクリエイティブを設定するかがとても重要です。カルーセル広告では、ユーザーにスワイプをしてもらい、一連のクリエイティブを見てもらうことで、効果を最大限に発揮することができます。そのため、ユーザーが広告を見たときに、ユーザーの興味を引くクリエイティブでなければ続きのクリエイティブを見てもらうことはできません。そのため、設定するクリエイティブ全てが重要であるものの、特に1枚目に設定するクリエイティブは他の投稿に埋もれずユーザーの目を引かせることを目的に制作しましょう。
なお、クリエイティブ制作のコツについては、 こちらの記事で解説しておりますので、併せてご確認ください。
スワイプできることを気づかせる工夫をする
1枚目のクリエイティブでユーザーの目を引けたとしても、「広告に続きがある(=広告がスワイプできる)」ということをユーザーに気づかせなければ、カルーセル広告の効果は最大限発揮できません。そのため、2枚目のクリエイティブの背景色を変更したり、スワイプを促すビジュアルキーを配置したりすることで、ユーザーに広告の続きがあることを気づかせる工夫を取り入れましょう。
クリエイティブの表示順をチューニングする
カルーセル広告は、配信して終わりではなく、配信後の効果検証が重要です。広告マネージャー内にある広告レポートでは、各クリエイティブの効果(リンクのクリック数など)を確認することができます。そのため、効果の高い(ユーザーのリアクションが良い)クリエイティブは表示順を前に配置するなど、クリエイティブの表示順をチューニングすることも必要です。
また、ユーザーのリアクションが低いクリエイティブについては、表示順を後ろにするだけではなく、効果の悪い期間が長く続くようであれば、クリエイティブの差し替えも検討しましょう。
テキスト・CTAの有効活用
FBIG広告の効果を左右する1番の要素は「クリエイティブ」ですが、より成果を高めるためには「テキスト」や「CTA」も重要な要素です。
テキストの中でも「見出し」と「説明文」は、クリエイティブごとに異なる情報を記載できるため、クリエイティブごとに訴求したい内容を登録しましょう。ただし、広告が掲載される配置によっては、表示できる文字数が少なくなるため、簡潔で伝わりやすい内容にすることが重要です。どのように広告として表示されるかは、広告作成時の「広告プレビュー」で確認できますので、ユーザーに伝わりづらい表示になっていないかを必ず確認しましょう。
また、設定したCTAとクリエイティブ内容がマッチしていないと、ユーザーに対して広告の違和感を覚えさせてしまい、広告のクリック機会を逃す恐れがあります。そのため、以下が現在使用できるCTAの種類となりますので、クリエイティブ内容にマッチしたCTAを選択しましょう。なお、ECサイト運営者の方がよく利用するCTAについては、(★)を記載しておりますので、併せてご確認ください。
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まとめ
いかがでしょうか?FBIG広告におけるカルーセル広告の特徴や活用方法をお分かりいただけたのではないでしょうか。カルーセル広告は、画像広告よりも情報量を多く、かつ多角での訴求(商品数やバリエーション、使用方法などの紹介)に活用することが可能です。一方で、設定するクリエイティブが多い分、効果の高いカルーセル広告にするためには制作や運用にコツが必要です。そのため、「カルーセル広告の配信を設定して終わり」ではなく、配信後の効果検証を実施し、効果が良くない場合にはこの記事でご説明した「効果を出すためのコツ」に立ち戻り、魅力あるカルーセル広告にチューニングしていきましょう。