【EC事業者向け】Facebook・Instagram広告のターゲティング設定方法
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以前の記事では、「そもそもターゲティングとは何か」から「 Facebook/Instagram広告(以降、FBIG広告)のターゲティングの種類や特徴」といった、FBIG広告におけるターゲティングの基礎部分をご説明しました。
(以前の記事を読みたい方はこちら)
以前の記事を読んでいただき、FBIG広告のターゲティングの基礎を理解し、実際にFBIG広告を始めようと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、そんな方が実際にFBIG広告のターゲティングを行い、広告配信設定ができるように、さらにターゲティングの特徴を掘り下げ、「各種ターゲティングの設定方法」や「コツと注意点」ついてご説明します。
FBIG広告のオーディエンスの特徴
FBIG広告のターゲティングには、以下3種類の方法でユーザー(オーディエンス)を設定することができます。以下では、各オーディエンスについて、さらに詳しくご説明します。
コアオーディエンス
コアオーディエンスは、ユーザーがFacebookに登録している基本情報(年齢や性別など)や興味・関心、業種といった詳細情報を指定し、その情報と一致するユーザーをオーディエンスとして設定する方法です。
Facebookは実名登録制であることから、ユーザーの登録情報も信憑性が高いと言われており、このユーザー情報を活用することで、自社の商品やサービスのターゲット層にマッチしたユーザーへ広告配信することが可能です。そのため、コアオーディエンスは、商品やサービスの認知拡大を目的とする場合の利用がおすすめです。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスでは、Webサイトへのアクセス履歴や自社の顧客データ、FacebookやInstagramの投稿に対するいいねやコメントなどのアクション履歴をソースとし、そのソースに一致するユーザーをオーディエンスとして設定する方法です。
ソースの中でも、よく利用されるソースは、「Webサイトへのアクセス履歴(ソース名:ウェブサイト)」と「自社の顧客データ(ソース名:カスタマーリスト)」の2種類です。ウェブサイトでは、一度Webサイトへアクセスしたユーザーへ広告が配信可能であるため、カゴ落ち客に再度Webサイトへアクセスしてもらうためのリターゲティング広告として活用することができます。また、カスタマーリストでは、既存顧客へ広告配信することが可能であるため、リピートを促したい場合の利用がおすすめです。
類似オーディエンス
類似オーディエンスでは、ソースとなるオーディエンス(コアオーディエンスやカスタムオーディエンス)を指定することで、Facebookがソースとして指定したオーディエンスと類似した(ユーザー属性やアクション履歴などを共通点として持つ)ユーザーを探し出し、類似度が高いと判断されたユーザーをオーディエンスとして設定する方法です。そのため、コアオーディエンスをソースとすることで、自社の商品やサービスのターゲット層に類似したユーザーへ、カスタムオーディエンスをソースとすることで自社の顧客に類似したユーザーへ広告配信することができ、自社の商品やサービスに興味をもってもらえる可能性が高いユーザーにアプローチすることができます。そのため、類似オーディエンスは、Webサイトへのアクセス数増加を目的とする場合の利用がおすすめです。
ターゲティングの設定方法
FBIG広告のターゲティングは、以下の遷移フローを経て「オーディエンス」から設定することが可能です。 なお、ターゲティングの設定方法以外のFBIG広告全体に関する配信設定方法については、こちらの記事でご説明しておりますので、併せてご確認ください。
▽1.Facebookビジネスマネージャーにこちらからログインする
※Facebookビジネスマネージャーを登録していない方は、こちらの記事を参考に登録ください。
▽2.左メニューバー内にある「設定」から、「広告アカウント設定」をクリックする
※広告アカウントをお持ちでない方はこちらをご確認いただき、広告アカウントを作成ください。
▽3.左メニューバー内にある「すべてのツール」から、「オーディエンス」をクリックする
コアオーディエンスを利用した設定方法
コアオーディエンスを利用するためには、「保存済みのオーディエンスを作成」を選択します。
そして、広告配信したいユーザー属性を設定することで、コアオーディエンスを利用したターゲティングが可能です。
カスタムオーディエンスを利用した設定方法
カスタムオーディエンスを利用するためには、「カスタムオーディエンスを作成」を選択します。
そして、利用したいソースを選択して、「次へ」をクリックし、各ソース情報(顧客データやFacebookページ、Instagramアカウントなど)を設定することで、カスタムオーディエンスを利用したターゲティングが可能です。なお、各種ソースの詳細が知りたい方は、こちらの記事で紹介しておりますので、併せてご確認ください。
ただし、Webサイトのアクセス履歴(自分のソース:ウェブサイト)を利用する場合には、自社のサイトにFBIG広告のタグ(ピクセル)を埋め込む必要があります。
※FBIG広告のタグ(ピクセル)の設置がまだの方は、こちらをご確認ください。
類似オーディエンスを利用した設定方法
類似オーディエンスを利用するためには、「類似オーディエンスを作成」を選択します。 ただし、ソースとして指定したいコアオーディエンスあるいはカスタムオーディエンスは、類似オーディエンスを作成する前に作成しましょう。カスタムオーディエンスをソースとする場合は、以下赤枠部の「新しいソースを作成」で作成することができますが、コアオーディエンスをソースとする場合には、先にコアオーディエンスを作成していないと、類似オーディエンスでソースとして選択することができません。
そして、類似オーディエンスのソースとするオーディエンスを選択し、オーディエンスサイズ(類似度)を設定することで、類似オーディエンスを利用したターゲティングが可能です。
オーディエンスサイズ(類似度)は、1%~10%の間で設定することが可能です。ただし、類似度とリーチすることができるユーザーはトレードオフの関係であり、%が小さいほど類似度は高くなり、ソースとするオーディエンスにかなり類似した属性をもつユーザーへ広告配信することができます。一方で、リーチすることができるユーザーは少なくなるため、注意が必要です。また、ソースとするオーディエンスは100人以上含まれていなければ類似オーディエンスを利用して広告を配信することができません。オーディエンスが100人以上含まれていれば広告配信は可能ですが、ソースとなるオーディエンスが少なすぎるとFacebookが類似度を判断することが難しくなります。そのため、Facebookとしては、1,000~5,000人のオーディエンスをソースとすることを推奨としています。
ターゲティングのコツ
先では、広告の配信目的別によるおすすめのオーディエンスとターゲティングの設定方法についてご説明しました。そこで、続いては、効果の高い広告を配信するためにのターゲティングのコツについてご紹介します。
コアオーディエンスの掛け合わせ
コアオーディエンスでは、利用者層/興味・関心/行動に関する項目を複数選択することができ、以下の3パターンで項目を掛け合わせることが可能です。
▽OR設定
OR設定では、A(例:コーヒーに興味がある )もしくはB(例:チョコレートに興味がある )のいずれかの項目に該当するユーザーをターゲティングすることが可能です。そのため、複数項目をまとめて、リーチ数を増やしたい場合に効果的です。
▽AND設定
AND設定では、A(例:コーヒーに興味がある)とB(例:チョコレートに興味がある)の両方の項目に該当するユーザーをターゲティングすることが可能です。そのため、広告配信するユーザーを自社のターゲット層のユーザー属性により類似させたい場合に効果的です。
▽除外設定
除外設定では、A(例:デザートに興味がある)の項目には該当しつつ、B(例:チョコレートに興味がある)の項目には該当しないユーザーをターゲティングすることが可能です。そのため、集客したくない属性があった場合、広告配信するユーザーの絞り込みを行うことができます。
オーディエンスの掛け合わせ
類似オーディエンスでターゲティングを行う際には、先でご説明した通り、ソースとなるオーディエンスが必要です。そのため、「コアオーディエンスあるいはカスタムオーディエンス✕類似オーディエンス」となり、オーディエンスの掛け合わせが発生します。
ただし、オーディエンスの掛け合わせは類似オーディエンスのターゲティング以外にも、「コアオーディエンス✕カスタムオーディエンス」も可能です。そのため、例えば女性向けのキャンペーン実施予定があった場合、既存顧客(カスタムオーディエンス利用)の中で女性だけ(コアオーディエンス利用)に広告を配信するといったターゲティングを行うことが可能です。
複数のターゲティングを行う
複数のターゲティングで広告配信をすることで、それぞれのターゲティングによる効果が測定できます。そのため、どのターゲティングが費用対効果が高く、どのターゲティングがユーザーとマッチしていないかを並行で確認することができ、広告運用のPDCAを効率的に回すことが可能です。
ABテストの実施
効果の高い広告配信をするためには、ターゲティングの精度を高めることが重要であり、ABテストの実施が効果的です。ABテストとは、ターゲティングの項目やクリエイティブなど比較したい変数を1つ用意し、2種類のパターンで広告配信を行ってどちらの広告がより効果が高いのかを検証するテストです。
ターゲティングにおけるABテストでは、例えば年齢を変数とし、30代と40代で2パターンの広告を用意して広告配信を行います(その他ターゲティングの項目は同一に設定)。そして、効果検証の結果、効果が高かった変数を採用することで、費用対効果の高い広告にチューニングしていくことが可能です。
ターゲティングの注意点
最後に、効果の高い広告を配信するために、ターゲティングで注意しなければいけない点についてご紹介します。
ターゲット層を明確にする
FBIG広告では、精度の高いターゲティングが可能である一方で、適切なターゲティングを行えていないと、適切なユーザーへ広告が配信されずに費用対効果の悪い広告配信となる恐れがあります。そのため、適切なターゲティングを行うためには、そもそも自社の商品やサービスのターゲット層はどのような属性なのかを明確にし、その属性でターゲティングを行うことが重要です。
ターゲティングでユーザーを絞り込みすぎない
ターゲット層合ったターゲティングを行うことが重要とご説明しましたが、ユーザーの絞り込みすぎには注意が必要です。ターゲット層の属性に近づけるためにターゲティングの項目を多く設定しすぎると、リーチすることができるユーザーが少なくなってしまい、ユーザーが広告を閲覧する機会が減ってしまう恐れがあります。そのため、広告配信後の表示回数に着目しながら、十分に広告がユーザーへ配信されているかを確認する必要があります。
複数種のターゲティング間でユーザーの被りをなくす
FBIG広告では、ユーザーに広告が表示される際、オークションが行われます。オークションで競合となるのは、同じユーザーをターゲットとしている広告となるため、自社が設定した複数種のターゲティング間でユーザーは被っていると、自社の広告同士でオークションが行われてしまいます。その結果、必要以上に広告費が消化され、費用対効果が悪くなってしまう恐れがあります。そのため、自社で設定するターゲティング間でユーザーの被りをなくすことが重要です。
PDCAを回す
FBIG広告のターゲティングは最初に設定して終わりではありません。配信後の効果検証が重要であり、「ターゲット層にあったユーザーへ広告配信できているか」「商品やサービス購入につながりにくいユーザーへ広告が配信されすぎていないか」等を日々確認する必要があります。そして、改善の余地があれば、ターゲティングの項目を再設定し、最適なターゲティングの項目で広告配信ができるようにPDCAを回すことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?FBIG広告の各種ターゲティングをさらに理解を深め、どのように設定するのかお分かりいただけたのではないでしょうか。FBIG広告のターゲティングは細かく設定できる一方で、ターゲティングの項目を設定するにはコツと注意点が多くあります。そのため、広告配信後の効果を検証しながら、改善の必要があればこの記事で紹介したコツと注意点を読み返していただき、PDCAを回しながら費用対効果の高い広告を目指していきましょう。